「同心は直参で御目見得以下、あなた様が就く御役目にあらず」──北町奉行遠山景元は甚だ困惑していた。それもそのはず、同心職を所望しに来て対座しているのは、上総国美山藩七万五千石、十二代藩主、弓座上総介右京であったからである。十二代将軍家慶とも縁が深い譜代大名の名門が、一体なぜ? 町奉行の苦悩は深まるばかりであった。実は右京は、理不尽を正そうとしていた。町方同心は寺社や武家に手が出せず、捜索には届けが必要などの不条理がある。それが凶悪犯を逃亡させるという悲運に遭い、掟を改善したくなったのだ。かくして前代未聞の別儀同心が誕生。大名の特権にて届けは後回し!どこに逃げられても追捕あるのみという、型破りな
殿さま同心 天下御免 奉行暗殺 (コスミック時代文庫)
✍ Scribed by 誉田龍一
- Book ID
- 110777676
- Publisher
- コスミック出版
- Year
- 2015
- Tongue
- Japanese
- Weight
- 205 KB
- Category
- Fiction
- ASIN
- B073S6PPZD
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✦ Synopsis
日本橋の煮売り屋の縁台に腰を掛け、岡っ引きの報告に耳を傾けるひとりの同心──。見るから一介の町方だが、弓座右京を名乗るこの男、実は上総国美山藩七万五千石、十二代藩主という大身であった!かつて右京は、町方同心が支配違いで寺社地に立ち入れず、下手人を取り逃がす場面を目撃し、その不条理を正そうと北町奉行に頼み込んで、自ら同心となったのである。かくして、捜索の届け出不要、どこにでも立ち入り自由という特権を与えられた別儀同心が誕生したのだった。そんな右京の前に、厄介な敵が現れた。腕っ節の強い山伏と、その裏に見え隠れする目付という権力者の影。しかも彼奴らの真の狙いはとんでもない人物の命だと判明して……。好評痛快シリーズ、第三弾!
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