「私は血を流すかもしれない…夥しい血を」そう語るとカリスウェンは床に頽れ、意識を失った。その身体に触れたティーエの中に流れ込んできたイメージは、一面に流された血、そして死臭…。これはカリスウェンが過去に体験したことの記憶なのか。それとも未来に自分が成す事への恐れなのか。平和を愛し、静寂を愛する美貌の貴公子カリスウェンの内に秘めた野望とは何か。そして父皇帝との傷ましい過去の確執とは?謎に満ちたカリスウェンの心が今、明かされる…。
風の大陸 第十五部 奔流 (富士見ファンタジア文庫)
✍ Scribed by 竹河 聖
- Book ID
- 110781305
- Publisher
- 富士見書房
- Year
- 2013
- Tongue
- Japanese
- Weight
- 2 MB
- Category
- Fiction
- ASIN
- B00FZIGN8A
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✦ Synopsis
「何と美しい肌か…」キリの胸の上でナイフを動かしながらマレブはつぶやいた。瞬間、音もなくひかれた刃にそって鮮血が浮かび上がる。「殺すなら、早く殺せ!!」強がるキリに傷をあたえるたびに、マレブは恍惚の表情を浮かべる。これは、彼にとってほんのささやかな楽しみでしかなかった…。ソグドム教徒によって拉致されたキリを必死に捜索するティーエやボイス。心労から病に倒れるカリスウェン。命を賭した新たなる戦いの幕が、いま開かれようとしていた。
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