<span>断面に区切られた正六面体の世界―破片世界コート島。全世界を揺るがす大鳴動が起きた直後、管制官見習いの少女・ユトは、ひとりの青年を海辺で拾った。服も髪も肌も、すべてが真っ白なその青年は、自分の素性も名前すらも覚えていないという。白い身体と真紅の瞳から彼はウサギと名付けられ、とりあえずユトと行動を共にすることにした。しかし、謎めいたウサギをめぐって二人の魔女アイリーン、カタリナの争いに巻き込まれ…。</span>
有明海のウナギは語る 食と生態系の未来
✍ Scribed by 中尾 勘悟 (著), 久保 正敏 (編集)
- Publisher
- 河出書房新社
- Year
- 2023
- Tongue
- Japanese
- Leaves
- 290
- Category
- Library
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✦ Synopsis
フィールドワークと文献調査を基に、有明海のニホンウナギ漁の衰退が、人類の食と生態系の劣化のシンボルであることを論じる。
✦ Table of Contents
はじめに
目次
第1章 食資源としてのウナギ
1.1. ニホンウナギの供給量
1.2. シラスウナギの輸入
1.3. ニホンウナギから未来を考えるヒントを
[グラフ] ウナギ(活ウナギと調製品)供給量(重量)の推移
[グラフ] ニホンウナギ内水面漁業生産量とシラスウナギ国内採捕量の推移
[グラフ] ウナギ(活ウナギと調製品)輸入量の推移
[グラフ] シラスウナギ国内採捕量と主な相手国からの輸入量の推移
1.4. 世界のウナギと日本の役割 --植松周平 (WWFジャパン)
「中国産」と表記されるヨーロッパウナギ
ニホンウナギの減少と不透明な流通
水産物としての危機
ウナギ資源と食文化を守るために
[コラム] 世界のウナギ属
[表] ウナギ属の分類
[図] ウナギ属のおおよその自然分布域
第2章 ニホンウナギの生態
2.1. ニホンウナギの日本での生活
2.2. 産卵回遊と銀化変態
[コラム] ニホンウナギの性決定
[コラム] ウナギは2回変態する --望岡典隆 (九州大学大学院)
2.3. ニホンウナギ産卵場特定史
[図] ニホンウナギの産卵場調査の歴史、及び、おおよその自然分布域
2.4. 環境DNAとウナギの生息地解析 --亀山哲 (国立環境研究所)
[コラム] 魚類の耳石と標識
[図] 環境DNAを用いた生息地のモニタリングと評価の概念図。作成:亀山哲
[コラム] 46mの滝登り --松重一輝・望岡典隆 (九州大学大学院)
2.5. 海水と淡水の往還 — 浸透圧という試練
魚類の進化史概略
浸透圧と生物細胞
魚類の浸透圧適応
塩類細胞の働き
[図] 海水魚と淡水魚の浸透圧調節のしくみ
[コラム] 河川でのウナギの寝床 --松重一輝・望岡典隆 (九州大学大学院)
[コラム] 竹ん皮ウナギ --望岡典隆 (九州大学大学院)
第3章 日本の天然ウナギ漁
3.1. 北日本から関東地域へ
[表] 直近15年間の都道府県別天然ウナギ生産量ベストテン
3.2. 関東・中部地域
[図] 国立国会図書館デジタルコレクションの図譜に見るウナギ
3.3. 関西地域
3.4. 中国地域
[図] うなぎ街道
3.5. 四国地域
3.6. 九州地域
[コラム] ウナギ食のタブー
第4章 有明海の現況 ― 資源の回復は?
[図] 河川図
4.1. 有明海の多様な生物相
[表] 有明海や八代海などに特有の稀少生物の一覧
4.2. 有明海干拓の知恵 ― 地先干拓と掘割
4.3. 複式干拓による国営諌早湾干拓事業
4.4. 開発に伴う干潟環境の変化
[図] 現状の一方向の排水の仕組み
4.5. 干潟が賑わっていた頃
タイラギの激減
竹羽瀬の不漁
消えたアゲマキガイ
今は潮受け堤防の内側
ウナギ漁の変化
4.6. 国営諫早湾干拓事業をめぐる訴訟の経緯
ムツゴロウ訴訟
一時開門
福岡県有明海漁業協同組合連合会の抗議活動
「よみがえれ!有明」訴訟― 開門調査の確定判決まで
年表1 開門調査の確定判決まで
長崎訴訟
年表2 長崎訴訟
「開門差し止め請求」訴訟
双方からの間接強制申し立て
年表3 間接強制と制裁金
「開門差し止め請求」訴訟のその後 ― 「開門せずの和解協議」の流れ
年表4 開門差し止め請求訴訟
請求異議訴訟
年表5 請求異議訴訟
4.7. オランダに学ぶべきは
裁判だけで解決できるのか
オランダ「デルタ計画」の柔軟な軌道修正
[図] オランダのデルタ計画による堰・ダムの配置図
「Room for the River:川にゆとりを」 プロジェクト
オランダの合意形成モデル
[コラム] 潟スキー考
[コラム] 鰻という姓
第5章 ウナギ漁の今昔
5.1. 梅雨時のウナギ登り
5.2. 柴漬漁
5.3. 天然ウナギから養殖ウナギへ ― 日本の養鰻略史
[グラフ] 1900年以降のニホンウナギ国内生産における天然ウナギと養殖ウナギ
[グラフ] 主な養鰻地域の変遷
[表] ほぼ10年ごとの都道府県別養鰻生産量ベストテン
5.4. オオウナギか
第6章 有明海のウナギ漁法さまざま
6.1. ウナギ釣り
6.2. ウナギ塚(ウナギ石倉)
[コラム] 九州にある特殊なウナギ石倉 --日比野 友亮 (いのちのたび博物館(北九州市立自然史・歴史博物館))
6.3. ウナギ掻き
6.4. 手押し網
6.5. 甲手待ち網
6.6. 笙羽瀬
6.7. ウナギ竹筒漁
6.8. 探り
6.9. ウナギ延べ縄(延縄)
第7章 有明海各地域のウナギ漁
7.1. 島原半島、諫早湾と周辺河川
諫早湾締め切りの前夜
唯一残る石干見
7.2. 佐賀県のニホンウナギ漁
四手網
生物多様性の見本市
太良町のウナギ塚
鹿島市のウナギ塚
ウナギ塚を環境教育に
塩田川と周辺
六角川のウナギ探り
六角川のウナギ引っ掛け漁
[コラム] 六角川河口域でのウナギ地獄釣り
7.3. 筑後川の流域
筑後川の概要
[図] 筑後川水系の流域及び、熊本県の主な支川とダムや堰
水運がつなぐ流域
江戸時代の舟運
江戸時代のウナギ
流域連携の復活
筑後大堰稼働前の漁風景
筑後大堰の建設
利水をめぐる疑念―「ミクロ-マクロ往還」のすすめ
河口域の泥化とその影響
下流域の塩分の増加
エツの不漁
筑後川の流路改修
[図] 筑後川下流の捷水路
筑後大堰近辺でのシラスウナギ漁
[コラム] 筑後川の大ウナギ退治の話
7.4. 熊本県菊池川周辺
ウナギ筌を作る竹細工師
瀬張り網漁
7.5. 熊本県白川・坪井川河口部
7.6. 熊本県緑川周辺
河口部では最後のウナギ漁師
川尻の加勢川開発研究会
[コラム] 東アジア鰻学会
第8章 ウナギの資源回復を考える
8.1. 漁業制限の動き
8.2. 水産エコラベル ― 国際的な認証制度MSCとASC
8.3. ウナギの成育しやすい河川環境とは
[コラム] ふるさとの川はみな違う --阿部夏丸 (作家)
8.4. 河川環境の鍵となる堰
水制工
頭首工
引上堰
起伏堰
8.5. 魚にやさしい魚道とは
やさしい魚道のために
魚道の分類
台形断面型魚道
8.6. 河川改修の功罪
塩田川水系の河川改修
鹿島市の可動堰
起伏堰を採用しなかった太良町
鹿島市周辺での河川漁
[コラム] 嬉野川とシーボルト
8.7. 治水や利水に見る古の知恵 ― 伝統的河川工法の再評価
武田信玄の治水術
不連続堤防が重なった氾濫受容型の「霞堤」
治水の神様・加藤清正
成富兵庫茂安の傑作「石井樋」
古賀百工が心血を注いだ「山田堰」
8.8. 日本での流域治水論
8.9. Eco-DRR (Ecosystem-based Disaster Risk Reduction:生態系を活用した防災や減災) という考え方
[コラム] 生態系保全と防災の両立 — 石組みによる河道改善 --安田 陽一 (日本大学理工学部)
第9章 森里海の連環を考える
9.1. 森里海連環学の提唱
9.2. 鉄がつなぐ森と海
[図] キレート錯体のうち構造が簡単な例
9.3. SPERA森里海 — 時代を拓く
9.4. 石倉かごによる成育環境モニタリング
9.5. 福岡県立伝習館高等学校 自然科学部生物部門の活動
9.6. バイオロギング・バイオテレメトリーの活動
[コラム] 気仙沼舞根湾湿地保全 — ニホンウナギは私たちの未来を映し出す鏡 --田中 克 (京都大学名誉教授)
第10章 資源回復を目指す取り組み
10.1. 三者協同による親ウナギ放流事業 ― 浜名湖 --日比野 友亮 (いのちのたび博物館(北九州市立自然史・歴史博物館))
10.2. 小型個体の再放流による 増殖義務の履行―佐鳴湖 --日比野 友亮
10.3. 淀川の天然ウナギ復活と「ウナギの森植樹祭」
10.4. 岡山県西粟倉村の「森のうなぎ」
[図] 森林生態学が説く土壌断面層位のモデル図
[コラム] 粘り強い循環型地域社会を目指す南三陸町
10.5. 代替ウナギの養殖
[コラム] 自然共生社会の実現のための「運ぶもの」と「運ばないもの」 --亀山 哲 (国立環境研究所)
[コラム] 柳川のうなぎ供養祭
第11章 そして、これから
ニホンウナギが映し出す食料システムの問題点
ピークの平滑化
成長戦略の限界
脱成長戦略
市民と若者の動き
大量絶滅の足音
日本の食事情
私たちにできることは
註
(註1) ヨーロッパウナギと日本
日本におけるヨーロッパウナギ養殖
養殖からの撤退に伴う自然界への逸出
輸入ウナギの増加
中国でのヨーロッパウナギ養殖
輸入ウナギヘの逆風
禁輸逃れでEU域外からヨーロッパウナギ
(註2) ウナギ仔魚の死滅回避
(註3) 動物学名の命名法とウナギ属の成立事情
名義上のタクソンとは
本質主義に基づく分類
動物命名法における「タイプ」
タイプ概念の変遷
生物学の哲学と本質主義
Muraena属とAnguilla(ウナギ)属
ふたつの属をめぐる混乱
(註4) 動物学名の日本語表記
学名表記と読み方は古典ラテン語で
ウナギ仔魚の呼び方
(註5) うなぎ登りと粘液
(註6) 生態系サービスとは
(註7) 水産増養殖と栽培漁業
(註8) 日本のダム建設史と凍結ダム復活の動き
治水と利水
日本のダム史概略
第二次世界大戦後の多目的ダム建設ブーム
水没する上流側住民の痛み
生態系保全の立場
ダム効果への疑問
現在のダムが抱える問題点
豪雨災害激甚化と川辺川ダム問題
流水型ダムの得失
[図] 流水型ダムの模式断面図
「緑のダム」の保水力
山林の一時的保水力
山林の消失保水力
ダム論争を止揚する合意形成は
(註9) 柳川の掘割再生と広松伝氏
高度経済成長期の掘割荒廃
掘割の再生運動
市民の力による再生
(註10) 敗戦後の食糧難とヤンセンレポート
(註11) 海苔養殖における酸処理
(註12) 有明海漁業実況図とは
(註13) オランダ土木技術の導入と御雇外国人デ・レーケ
開国時の土木技術売り込み?
砂防の父デ・レーケの活躍
低水工事偏重という批判
オランダ土木技術批判の背景
よみがえる粗朶沈床
(註14) 1960年代からの異議申し立て
(註15) 南風崎町と復員列車
(註16) 「ぼくと」とは
(註17) IWAPROとは
(註18) 基本高水流量への疑念
(註19) 漁業権に伴う増殖義務
(註20) 網目サイズの表記法
(註21) 近藤潤三氏と「やながわ有明海水族館」
有明海を育てる会
遺志を引き継ぐ若い世代
(註22) グリーン・ニューディールとグリーン・ディール
カーボンニュートラルのうねり
カーボンニュートラルは実現可能か
パリ協定
文書『グリーン・ニューディール』
グローバルグリーンズ憲章
原発はグリーンか
気候正義の概念
欧州グリーン・ディール
若い世代の切実な声
グレート・リセットは可能か
(註23) ネオニコチノイド系殺虫剤と宍道湖のウナギ
参考文献
あいうえお
かきくこ
さしすせ
そたちつて
となにのはひ
ふほまみむもや
ゆよわ;CFGHKY
用語索引
あいうえおかきくけこさしす
せそたちてとなにねのはひふほまみめもやゆよりれろわ;ACEFIJMRSUW7二十八
著者略歴・奥付
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