夜目にも鮮やかに咲きほこる白い芙蓉の花に包まれた石畳を踏みしめながら、巡査は玄関へ入った。人の気配は感じられない。暗がりの中を探りつつ、彼は問題の部屋に辿り着いた。灯りのスイッチを押すと、バラ色の光が部屋に溢れる。だが次の瞬間、彼は殴られたような驚愕に打たれた。敷きつめられた派手な模様の絨毯の上に、胸から鮮血をしたたらせた女の変死体が……。それぞれに複雑な殺害動機を持つ7人の容疑者と、素人名探偵都築欣哉の対決を描く表題作ほか7編を収録。
捩れ屋敷の利鈍
✍ Scribed by 森 博嗣
- Publisher
- 講談社
- Year
- 2005
- Tongue
- Japanese
- Leaves
- 272
- Series
- Vシリーズ 8
- Category
- Fiction
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✦ Synopsis
メビウスの帯構造の密室 現れる死体、消える秘宝
エンジェル・マヌーヴァと呼ばれる宝剣が眠る“メビウスの帯”構造の巨大なオブジェ様の捩れ屋敷。密室状態の建物内部で死体が発見され、宝剣も消えた。そして発見される第2の死体。屋敷に招待されていた保呂草潤平(ほろくさじゅんぺい)と西之園萌絵(にしのそのもえ)が、事件の真相に至る。S&MシリーズとVシリーズがリンクする密室ミステリィ。
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