「そちだけが頼りじゃ」──先の将軍にして、未だ大御所として幕政の実権を握る徳川家斉に、こう言われて信頼されているのは、若年寄を務める堀田左京亮正衡であった。だが、幕閣の中枢にありながら、左京亮の居所は御城にあらず、深川仲町にある居酒屋「酔狂」である。ここで北町奉行・遠山金四郎景元や町の悪どもとつるむのが常だった。その遠山が、困惑している。なんでも大御所のお気に入りの大奥女中が行方不明となり、その探索を命ぜられているという。興味が湧いた左京亮は、女探しを始めることに……。が、この騒動、裏では江戸城内で権力をふるう大物の、あらたな悪だくみと繋がっていた。剣豪と謳われた前将軍の“良き友”が、徳川の世
剣豪殿様 堀田左京亮 日の本一の侍 (コスミック時代文庫)
✍ Scribed by 麻倉一矢
- Book ID
- 110776730
- Publisher
- コスミック出版
- Year
- 2019
- Tongue
- Japanese
- Weight
- 202 KB
- Category
- Fiction
- ASIN
- B07XG11SZR
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✦ Synopsis
ここは、深川辺りの荒くれがずらり揃う、居酒屋「酔狂」──。さまざまな悪たちがいたが、その中で異彩を放つ者がいた。黒の羽二重を纏い、色白の品のいい顔立ちの侍で、名を堀田左京亮正衡という。左京亮は、若年寄を務める譜代大名で幕閣の中枢にいたが、仕事を終えると、夜な夜なこの店の暖簾をくぐっていたのだった。そのうえ彼の“友”は、将軍職を譲った大御所こと、徳川家斉だというから恐れ入る。その家斉がある日、胡蝶と名乗る一人の美女と親しくなった。だが女は、家斉を大御所と知って近づいて来たフシがある。しかもその正体を探るうち、日本の未来が転覆しかねない、大藩と商人の恐るべき企てが明らかに。さて、剣豪左京亮はこの大敵に、どう立ち向かうのか──!?
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江戸深川の居酒屋「酔狂」──。ここには、夜な夜な馴染みの町人衆が集まり、賑わっている。が、風変わりな風来坊の侍もいた。いつも気軽に立ち寄るので気付かれもしないが、彼は幕府の中枢若年寄を務める堀田左京亮正衡、その人であった。しかも大御所徳川家斉の信頼も厚く、最近は家斉自ら左京亮を訪ねてこの店に来る始末である。家斉は十四男斉文の養子先に悩んでいた。その候補に突然、薩摩藩の名が挙がる。どうやら斉文が島津家の清姫に懸想したというのだ。だが、幕府を敵対視する薩摩はいよいよ反発、叛逆の意思を固め出した。南国の大藩との争いは避けたい幕府。将軍家のため、剣豪を自負する左京亮はついに、手強い示現流の剣士たちの前