✍
霧崎雀
📂
Fiction
📅
2014
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小学館
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Japanese
⚖ 2 MB
宿主にとっての『幸せ』とは――。 「花がどうやって子孫を残すか知っているか?」 「受粉だろ。雌しべに花粉がついて――」 「そう……それが普通だ。奇妙だと思わんか? あの宿主も、花は花だ。だが奴らは独力で花を咲かせ、他所から何かが入った気配もないのに、やがて種子を生み出す」 黒服に言われるまで、ルッカは考えたこともなかった。『花』はそういうものだから、と思ってそれで納得してしまっていたのだ。 「有性生殖する生物は、遺伝子を混ぜることで、一つの種の中にも多様性を生み出している。皆が同じ弱点を持っていては簡単に滅びるからだ。事実、宿主も個々の能力に差異があり、特異的な能力を得た個